丸カンとは?
丸カンとは、アクセサリーのパーツをつないだり固定したり、金具を取り付けたりするのに欠かせないパーツです。ネックレスやブレスレット、ピアスにイヤリングなど、さまざまなジュエリーやアクセサリーに使われています。
ハンドメイドでオリジナルのジュエリーやアクセサリーを作っている方なら、丸カンを取り付けるシーンは多いでしょう。また、お気に入りのジュエリーやアクセサリーの丸カンが取れてしまった方も、ポイントを押さえれば自分で直すことができます。
丸カンの正しい付け方や使い方がわかると、費用をかけて業者の修理に出さなくても自分で対応できるようになれるでしょう。また、お好みの宝石をお好きなアイテムにハンドメイドするのも楽しいものです。
ただ、自己流の付け方や間違った使い方を続けていると、丸カンが金属疲労で破損しやすくなるので注意を。丸カンが歪んだり破損したりすると、宝石の紛失や破損にもつながりかねません。以下で使用のポイントを紹介していきます。
丸カンの使い方
丸カンを開いたり付けたりする際には、ヤットコと呼ばれる工具を使います。丸カンの左右をヤットコで挟んで動かす必要があるので、ヤットコは2本必要となります。先の細いペンチでも使用可能です。
丸カンの開き方と付け方は、どのアクセサリーを扱う場合も必要とされる基本のテクニック。ポイントまで確認しましょう。
開き方
丸カンの切れ目の両端をヤットコでつまみ、上下にスライドさせて開きます。縦方向にひねる感覚です。取り付けたい部品のジョイント部分が余裕をもって通るだけの幅を開けられればOKです。
後の項目で詳しく述べますが、横方向に引っ張って隙間を広げる開け方は基本的には間違いです。付ける際にぴったりとくっつかず、ジュエリーやアクセサリーが取れやすくなる原因にもなります。
付け方
丸カンの開けた場所に取り付けたいパーツや金具を通したら、開いたときと逆方向にスライドさせて元の状態に戻します。
元の位置に戻らないときは、いったん逆方向に通過させてずらしてから、開いたときの方向に戻して微調整することでぴったりくっつけやすくなります。
地金が硬いものは、この方法を使うと地金がやわらかくなって取り付けやすくなりますが、何度もスライドさせると金属がもろくなってしまうので注意を。
丸カンを使うときのポイント
丸カンの開き方と付け方をひと通り見てきましたが、やはり「難しそう」と感じる方も多いかもしれません。また、簡単にできそうだと思ってトライしても思わぬ点で破損しやすくなる側面が。
丸カンを使う際に気をつけたいポイントをまとめました。初心者の方も、すでにある程度ハンドメイドに親しんでいる方も要チェックです。
開閉の向きに注意
先述のとおり、丸カンを開ける際には開閉の向きに注意しましょう。丸カンの円を裂け目部分から押し広げるかのように隙間を開ける方法は基本的には用いません。
この開け方をすると、丸カンをぴったり閉じて真円の形に戻すのが非常に難しくなります。また、丸カンの地金が金属疲労を起こしやすくなり、もろくなって破損の原因にもなります。
ただし、アイテムによってはこの開け方を用いる場合があります。その際はヤットコやペンチではなく、ヘラ状の工具を使用して押し広げます。お家にある竹串で代用することも可能です。
何度も開かない
正しい開け方で丸カンを開けていても、何度も開閉しているうちに金属疲労を起こします。地金がもろくなり、いずれ折れてしまいます。取り付けの際は何度も開閉しないように気をつけましょう。
初心者の方は安い丸カンや余ったパーツの丸カンで動きの練習をしてから本番に臨むのも一つの手です。ただし、金属によって感触や硬さは異なります。
メッキのついた丸カンは、何度も開閉することでメッキが剥がれることがあります。同じ丸カンで何度もリメイクした場合は寿命だと考えて諦めるのも一つの考え方ですが、貴重なパーツなら気をつけて取り扱いたいところです。
力加減も大切
丸カンを開く際にヤットコやペンチで隙間のサイドを挟みますが、そのときの力加減も重要です。あまり力強く挟んでしまうと、丸カンの素材に傷がつきやすくなります。身に着けるジュエリーやアクセサリーとしては傷がつくのは致命的に。
メッキのついた丸カンは、強く挟むことでメッキが剥がれやすくなります。開閉ができる程度の最低限の力でやさしく取り扱いましょう。
丸カンの付け方
丸カンの取り付け方は先の「丸カンの使い方」で述べたとおりです。先述のポイントも押さえながらトライしてみましょう。
丸カンを使いこなすことで得られる効果もあります。たとえば宝石の向きを変えたいときです。ピアスやイヤリングで、丸カンなしでは横を向いてしまう宝石も、丸カンを一つ加えることで正面を向き、揺れも出せるようになります。
ネックレスやブレスレットでも、宝石の向きがしっくりこないときには丸カンをプラスして改善させられる場合も。
微妙な長さを調節する際にも丸カンが使えます。数ミリから1センチ程度長くしたいときや、ピアス・イヤリングに揺れを加えたいときに丸カンを付けてみてください。
丸カンが歪んでしまった時は?
装着しているうちに丸カンが歪んでパーツが取れやすくなったり、丸カンの開閉が原因で歪みが生じたりすることもあります。
丸カンの円の片側が外に飛び出す形で歪んだ場合は、ヤットコやペンチでその膨らんだ半円を挟んで引っ込める形で元に戻すことができます。メッキを施した丸カンは工具で擦れると劣化する可能性があるので、押しつぶす際に擦れないよう、力加減もあわせて注意して戻しましょう。
逆に内側に歪んだ場合は、ヘラ状の工具や内径に合った竹串などを内側から挟んで元に戻します。ヤットコの先端を内径に入れて膨らませる方法もありますが、丸カンの金属に傷がつかないように気をつけましょう。
まとめ
丸カンの付け方はそれほど難しいものではありません。ロー付けをしなくてもぴったり閉じて固定でき、ジュエリーやアクセサリーを楽しむことが十分に可能です。
使い方や付け方のポイントを押さえれば、ハンドメイドでお好きなジュエリーやアクセサリーを作って楽しめますね。簡単な修理も自分でできるととても便利です。
ただし、丸カンが破損して自分ではどうしても元に戻せなくなったらジュエリーやアクセサリー専門のお店に相談を。宝石の価値を下げずに修理できることが一番です。