サードオニキスの特徴
サードオニキスは、赤と白の縞模様が特徴的な石。赤の部分はやわらかさやほんのり温かみを感じる色合いです。
和名は「紅縞瑪瑙(べにしまめのう)」。瑪瑙はアゲートとも呼ばれ、縞模様をもつ鉱物の一種です。
サードオニキスはガラスのような光沢があり、透明感のあるものと不透明なものとがあります。透明度の高いサードオニキスのほうが比較的価値が高いものとして扱われます。ペリドットと並び、8月の誕生石でもあります。午後の太陽を思わせるような赤い色は夏生まれの方にもよく似合います。
主な産地はブラジルやウルグアイ、中国、インドです。硬度が十分にありながらも彫刻などの加工がしやすい石で、浮き彫り(カメオ)や沈み彫り(インタリオ)にも使用されてきました。
サードオニキスは3番目の(third)オニキスではありません。語源はギリシャ語で茶色を意味する「sard」と、爪やかぎ爪を意味する「onyx」です。オニキスの白い縞が爪痕のように見えることから、このような語源になったと考えられています。
サードオニキスの歴史
古くから魔除けのお守りとして身に着けられてきた歴史をもつサードオニキス。旧約聖書では、大司祭が神殿で胸当てにサードオニキスを着けていたという記述があります。
古代エジプトや古代ローマ・ギリシャでは、彫刻を施したジュエリー、カメオとして愛用されていたようです。カメオはアクセサリーとしてだけでなく、お守りや印章としての役割も担っていました。
他にカメオによく使用されていた宝石にはカーネリアン、瑪瑙、珊瑚。貝殻も使用されています。カメオに施される彫刻には、神話の神々や英雄が好まれ、よく施されています。
縁結びで有名な日本の出雲大社には、巨大なサードオニキスで作られた御神体が奉納されているといいます。後に紹介しますが人と人との縁をもたらすパワーストーンでもあるサードオニキス、出雲大社に奉られているのは象徴的です。
サードオニキスと似ている鉱石
瑪瑙やアゲートの仲間にあたるサードオニキスには、似ている鉱石がいくつかあります。サードオニキスが欲しいと思って買いに行ったら、似たような石があって迷うこともあるでしょう。
サードオニキスに似た石の特徴や、鉱石の仲間としてどれくらい似ているかを確認してみましょう。
カーネリアン
赤褐色の色合いがサードオニキスととても似ている鉱石。サードオニキスはアゲートの一種、カーネリアンはカルセドニーの一種ですが、どちらもほぼ同じ鉱物。縞模様が出るものをアゲート、色が均一なものをカルセドニーと称します。
カーネリアンは、心身をいきいきとさせるようなオレンジに近い赤から赤褐色の石。はっきりした縞模様はありません。
レッドアゲート
サードオニキスやカーネリアンを、「レッドアゲート」と称して売っているケースもあります。カーネリアンの項目で見たように石の仲間としてはほぼ同じため、どちらかをレッドアゲートの名前で売っています。
縞模様の様子や色の出方から、サードオニキスかカーネリアンかを見分けることができ、どちらを買うかはその方の好み次第となります。
赤天眼石(赤チベットメノウ)
赤天眼石、レッド天眼石とも呼ばれる鉱石も瑪瑙の仲間です。英語名はEye Agate、穏やかな赤と縞模様が特徴的で、サードオニキスと非常によく似ています。
チベットや中国でよく産出される鉱石。チベットでは「天の眼」として仏具や法具に使用してきました。お守りやパワーストーンとして、ブレスレットやネックレスの形で現在も愛用されます。
サードオニキスの効果
サードオニキスは幸福をもたらす石とされています。効果の一つには悪縁を断ち切って良縁を招くというものがあり、幸福な結婚を叶えるパワーストーンとしても愛されています。縁結びの石でもあり、婚活中の方にもおすすめです。
サードオニキスの石言葉にも「幸せな結婚」があるほどです。他に石言葉「夫婦和合」「夫婦の幸福」も。パートナーがいる方にもサードオニキスはおすすめです。絆が深まり、互いに自信を与えてくれます。
サードオニキスの温かみのある赤色は、見ているだけでギスギスした心も落ち着かせてくれます。パートナーへのプレゼントにしてペアで身に着けるとさらに効果が得られるでしょう。
サードオニキスにはネガティブなエネルギーから身を守る効果もあります。心を落ち着かせ、嫌な感情が暴走してさらに災いを招くという展開を防ぎます。そのため、災いから身を守るお守りとしても古くから愛用されています。
アクセサリーとして身に着けるだけでなく、彫刻や原石を飾るのもいいでしょう。リビングや寝室などリラックスできるスペースに飾ればさらに効果を発揮します。
サードオニキスのお手入れ方法
サードオニキスは比較的汗や皮脂に強い鉱物とされています。といってもどんな汚れにも万能で輝き続けられるというわけではないので、身に着けていて汚れが気になったらやわらかい布で乾拭きしてから保管するようにしてください。
モース硬度は6.5~7で、十分な硬度はありますがルビーやサファイアなどと比較すると硬度が低いほうです。硬い宝石にぶつかったり衝撃が加わったりするとキズが入る恐れがあるので気をつけましょう。
汚れが目立つ際はぬるま湯に中性洗剤を溶かし、やわらかめの歯ブラシか布で拭いて落とします。仕上げに乾拭きして水分が残らないようにしましょう。なお、超音波洗浄器の使用は避けてください。
サードオニキスをパワーストーンとして浄化する際は、月光浴や水晶のクラスタを使った方法をおすすめします。
浄化には太陽光を使用しないでください。太陽の光でサードオニキスの色が退色してしまう性質があります。細かい孔のある構造の鉱物なので、流水や、お線香やお香の煙を使った浄化方法も変質の可能性があり、避けたほうが無難です。
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サードオニキスは良縁・幸福の象徴
出雲大社の御神体にも使用されているサードオニキスは、良縁の象徴ともいえます。持っている人の魅力を引き出し、穏やかな気持ちにさせるサードオニキスは、幸せな結婚をもたらすお守りでもあります。
サードオニキスの縞模様は、どれ一つとして同じものはありません。これが、誰一人として同じ人生を歩む者はいないということを象徴しており、サードオニキスには持ち主の個性を伸ばして自信を高めてくれる効果があると考えられています。
サードオニキスを身に着けた人は困難にもうまく対処できるようになります。サードオニキスには浄化の力も強く、良縁だけでなく人間関係の不安やわだかまり解消まで力を発揮します。
まとめ
穏やかな赤色と白色の縞模様が特徴的なサードオニキスは、古くから魔除けとしてアクセサリーや彫刻の形で愛されてきた宝石です。
良縁や幸福の象徴でもあり、幸せな結婚のお守りとしても愛用されています。婚活中の方や夫婦円満を願っている方、人間関係の悩みを解決して自信を持ちたい方におすすめのパワーストーンでもあります。