シトリンの特徴
宝石のシトリンは、トパーズにも似た黄色っぽい輝きが魅力的です。実はアメジストの仲間で、アメジストを450度で熱することで色合いが変わり、シトリンとなります。
シトリンの語源はフランス語でレモンを表す「シトロン」です。レモン色の爽やかなシトリンもありますし、褐色やワイン色のような渋い色合いのシトリンもあります。熱処理の方法は同じですが、元のアメジストの産地によっても加工後の色が異なるのが特徴的です。
最初からシトリンの状態で採掘される天然のシトリンもありますが非常に希少で、多くはアメジストを熱で加工したものです。とはいえシトリンがアメジストより劣る石というわけではなく、アメジストをよりきれいにするための加工だと考えられています。
他に、無色透明の水晶に放射線処理を施して黄色く発色するように加工して作られたシトリンもあります。
アメジストが2月の誕生石であるのに対し、シトリンはトパーズと並ぶ11月の誕生石となっています。アメジストの和名は紫水晶で、シトリンの和名は黄水晶です。
シトリンの価格は比較的手頃で、他の宝石と比べると値段の割に大きなシトリンを購入できることがあります。大きめのシトリンを身に着けてみるのもおしゃれです。あまり大きなシトリンでは価値が下がるので、ファッションとのバランスで選んでみてください。
シトリンはレモンイエローから深い褐色のものまであるので、ファッションに合わせて色の違うシトリンを選ぶのもおすすめです。11月の誕生石にふさわしく秋らしい色合いが、コーディネートを引き立ててくれます。
パワーストーンとしてシトリンは、「商売繁盛」や「富」をもたらす金運アップの宝石として親しまれています。これから事業を始める人や、事業の規模を広げたい人の商売運や財運を支えるアイテムにふさわしい宝石です。
太陽のエネルギーをもつとされているシトリンは、挫けそうな心も前向きにしてくれたり、ネガティブな心を明るく積極的にしてくれたりといったパワーがあると考えられています。
イライラしたり焦ったりする心も、シトリンの優しいイエローを眺めているうちに鎮まります。そんなヒーリングストーンとしても愛されています。
シトリンの石言葉は「繁栄」「成功」「富」「幸福」などで、パワーストーンやヒーリングストーンとして、大きな勝負を抱えている人や明るく前向きになりたい人におすすめな石です。
シトリンの取り扱い方法・保管方法&注意点
ダイヤモンドの硬度を10とすると、シトリンの硬度は7です。ジュエリーの中では十分に硬度がある部類に入りますが、他の宝石と一緒に保管する際には傷がつかないように注意が必要です。
その他にもシトリンの特徴から、取り扱いや保管の際に気をつけたい点があります。以下で1つずつ確認していきます。
衝撃に弱いので注意
シトリンに十分な硬度があるといっても、より硬いものとの衝撃には弱いので注意してください。ダイヤモンドやルビー、サファイア、トパーズなどはシトリンよりも硬度が高い宝石です。一緒に保管する際に当たって傷がつく恐れがあるので気をつけましょう。
また、急激な温度変化にさらされるとシトリンが割れる可能性もあります。高温になる場所に置かないようにしてください。
アルカリ溶液などの化学物質で損傷することもあるので、洗浄の際には注意が必要です。掃除や洗い物などの作業のときにはシトリンのジュエリーを外して、直接かからないようにしましょう。
直射日光に注意
シトリンの仲間であるアメジストと同様に、紫外線に弱い宝石です。直射日光に長時間当たっているとシトリンの色が退色してしまいます。
保管の際は直射日光に当たらないようにしましょう。シトリンのルースを部屋に飾っておきたい場合も、太陽の光が直接当たらないような場所・レイアウトで飾ってください。
外で身に着ける際も、直射日光に長い時間当たらないように気をつけましょう。海水浴など夏のリゾートや、一日中屋外にいるイベントなどは要注意です。
シトリンのお手入れ方法
シトリンをお手入れする際の方法と注意点を見ていきましょう。上記の特徴や取り扱い方法を押さえていれば安心ですが、シトリンを傷めたり劣化させたりしないために把握しておきたい点もあります。
石鹸水とぬるま湯で洗浄
シトリンの表面についた汚れが気になったら、石鹸水とぬるま湯で洗いましょう。シトリンに皮脂や指紋がつくと目立ちますし、汚れをそのままにしているとせっかくの輝きがくすんでしまいます。
水を張った洗面器で、綿棒や柔らかい歯ブラシで表面の汚れを落とします。石鹸水に長時間つけておく必要はありません。
フッ化水素酸、フッ化アンモニウムやアルカリ溶液に弱く、損傷してしまうことがあるのでシトリンにかからないようにしましょう。
超音波洗浄機も可能
普段の洗浄はぬるま湯や石鹸水でOKです。シトリンの洗浄に超音波洗浄器を使用することも可能ですが、シトリンの加工によっては使用できないものがあるので以下を参照してください。また、シトリンは熱に弱いため、蒸気洗浄は避けましょう。
フラクチャー充填されているものは注意が必要
フラクチャー充填されているシトリンの洗浄には超音波洗浄器を使用できません。宝石を傷めてしまう恐れがあるので、鑑別書を見て、お持ちのシトリンには使用できるかどうかを確認してからの使用をおすすめします。
フラクチャー充填とは、宝石の表面に近い内部の傷を目立たなくするためにガラス質などの物質を充填する処理のことです。割れ目のやや気になる宝石でも見た目をきれいにするためにこの処理を施しているものがあります。
比較的安く手に入れたシトリンの場合、フラクチャー充填をしているものがある可能性が高くなります。超音波洗浄器を使用する前に確認しておきましょう。
まとめ
レモンのような黄色の輝きが特徴的なシトリンはアメジストを熱で加工したものですが、決して元のアメジストに劣る宝石ではありません。11月の誕生石としても愛用され、ファッションからヒーリングまで幅広く利用されます。
シトリンは衝撃や直射日光に弱いため、身に着ける際や保管する際はこれらに注意が必要です。丁寧にお手入れしてイエローの深い輝きを保ち、シトリンのジュエリーを長く愛用してくださいね。