ターコイズ(トルコ石)の特徴
ターコイズは紀元前の古代文明時代から、貴族や王族に愛されてきたジュエリーです。
世界の古代文明でターコイズが愛されていた歴史があり、古くはインダス文明やエジプト文明、そして海を隔てたアメリカ大陸のアステカ文明までターコイズを使った装飾品が発見されています。
古代でターコイズは装飾用のジュエリーというよりも、宗教的な儀式の道具や護符の装飾として用いられることが多かったようです。
現代でもネイティブアメリカンのアクセサリーの装飾に人気のターコイズですが、その昔ネイティブアメリカンは雨乞いの儀式にも大切な役割を果たしていたそうです。その美しい独特の青が水を連想させたのでしょう。
さてターコイズは日本では「トルコ石」という名前を持っています。では産出国はトルコ?と誰もがそう思うでしょう。しかしターコイズはトルコ石という名前を持ちながら、トルコでは採掘されません。
トルコ石という名前は、その昔トルコ商人が西はヨーロッパ、そして東は中国まで運んでいたという経緯があるためです。トルコは昔イランの起源でもあるオリエント王朝の一部であり、トルコ商人はシルクロードを通ってユーラシア大陸全土に物を運んでいたわけですね。
そしてターコイズの主な産出国はイラン、アメリカ、中国。中でも高品質のターコイズの産出国はイランからシナイ半島にかけてです。紀元前のはるか昔、古代文明の時代から主な産出国であり、色あせしない美しいターコイズが採れることで知られています。
アメリカや中国のターコイズはやや耐久性が低く、色褪せしやすいため加工処理されるものがほとんどです。
では価値のあるターコイズはどのようなものでしょう?それは美しい単色のスカイブルーのターコイズです。そして無加工であれば価値がアップします。しかし無加工のターコイズはとても希少価値が高く、市場の1割にも足りません。
また均一な美しいスパイダーウェブ(蜘蛛の巣)模様が入っている「ランダーブルー」は大変希少価値が高く、珍重されています。
ターコイズ(トルコ石)の取り扱い方法・保管方法&注意点
ターコイズは他のジュエリーと比べて、脆い性質があります。そのため取り扱いや保管方法には、注意が必要です。ではターコイズにはどのような性質があり、それに対してどのように扱えばよいのか、見ていきましょう。
水や汗で退色しやすい
ターコイズは多孔質です。多孔質とは眼には見えないような穴(細孔)がたくさん空いている素材のことを刺します。つまりターコイズはツルツルと見えていても、顕微鏡で見ると小さな穴がたくさん空いているのです。
そのため汗や水に弱く、ターコイズに汗や水がついてしまうと石の中にまで浸透してしまいます。それがターコイズの劣化原因になり、色あせや変色を起こしてしまうのです。
またその性質は汗や水だけでなく、日焼け止めや化粧品また香水などにも同じことが言えます。身に着けている限り完全に防ぐことはできませんから、ターコイズのアクセサリーを外すときにはなるべく柔らかい布で拭いてからしまうのがおすすめです。
衝撃に弱いので注意
ターコイズの硬度はやや低めの6以下です。モース硬度6になると、あまり硬さが期待できませんから、擦ると傷がついてしまいます。硬度が弱いのはやはり多孔質で無数の小さな穴が空いているためです。隙間のない石と比べると、弱いことは想像でも分かりますね。
そのためターコイズは衝撃に大変弱い性質があります。うっかり家具にぶつけてしまったり、落としてしまったりすると簡単に傷や割れが生じてしまいますから注意しましょう。
またブレスレットなどの重ね付けでも傷が入ります。おしゃれですがあまりおすすめできない身に着け方だといえるでしょう。ただしカジュアルなアクセサリーとして販売されているものは、ほとんどが加工されているためそこまで気にする必要はありません。
ただ一般的にターコイズは脆い石だということは覚えておくとよいですね。
直射日光は避ける
ターコイズは直射日光にも弱い性質があります。保管するときは必ず日の当たらないところにしてください。例えばパワーストーンには、浄化方法として日光にあてるという方法があります。しかし間違えても、日光でターコイズを浄化するようなことはやめておきましょう。
またターコイズはジュエリーとしての美しさを強調するために、ワックス加工がされているものがたくさんあります。ワックスやオイル浸潤加工は美しく見えるのですが、日光や熱にさらされるとカスが浮き出てくるという点も忘れてはいけません。
しかしハワイアンジュエリーとして、サーファーの方々にも人気のターコイズです。そうなると直射日光を浴びずに身に着けること自体が難しそうですよね。しかし加工しているターコイズならそこまで気にする必要はありません。
あくまでもジュエリーとしての価値のあるターコイズに限って、直射日光を気にするという意識で十分です。ターコイズは青さで価値が高まりますが、直射日光があたると緑っぽく変色し価値が落ちてしまいます。
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ターコイズ(トルコ石)のお手入れ方法
美しい青い色が不思議な魅力を放つターコイズですが、きちんとお手入れしていなければたちまち色褪せや変色を起こし、輝きが失われてしまいます。
せっかくの青い色が失われてしまうと、ジュエリーとしての価値も下がってしまいますから、正しいお手入れ方法を覚えておきましょう。
柔らかい布でから拭き
ターコイズの日常のお手入れは、柔らかい布で優しく拭くことが基本です。これはできれば毎回身に着けるたびに行いましょう。
から拭きする意味は、ターコイズについた汗や皮脂、そして化粧品類を拭き取ることです。これによって劣化を遅らせることができ、ターコイズのきれいな色を保つことができます。
中性洗剤で洗浄
ターコイズにひどい汚れがついてしまった場合は、中性洗剤での洗浄も大丈夫です。しかしお手入れの原則は乾拭き。よっぽどひどい汚れでないときには洗浄お手入れはやめた方がよいですね。
というのも多孔質のターコイズは、しっかりと乾かしたつもりでも目に見えない穴に水や中性洗剤が浸み込んでしまうからです。またモース硬度が低いため、ゴシゴシ拭きあげることもできません。
その2点の理由から、中性洗剤でのお手入れはできるもののおすすめはできないのです。もしも試す場合はぬるま湯ではなく、水で洗ってください。
超音波洗浄はNG
モース硬度が低いターコイズですから、ジュエリーの洗浄に使われる超音波洗浄もおすすめできません。超音波洗浄は超音波を発生させて石を磨くのですが、硬度の低い石はその振動で傷や割れが入ってしまいます。
石の性質自体が脆いため、保管するときにも他のジュエリーとぶつかって割れることのないように、個別に箱に入れるなどして保管することをおすすめします。
まとめ
今回はターコイズの特徴やお手入れ方法を紹介してきました。美しく力強いその青色からは、独特の魅力やエネルギーを感じます。古代文明時代から広く儀式や護符に使われてきたのは、きっと偶然ではないはず。
太古のエネルギーを感じながら、ターコイズの魅力に今一度触れてみてはいかがでしょうか?