アクアマリンの特徴
アクアマリンは3月の誕生石です。アクアマリンの「アクア」はラテン語で「水」という意味、そして「マリン」は「海」という意味。
その名前の通り、アクアマリンという石は透き通るように美しいライトブルーカラーが特徴的です。清らかな海の水を連想させるアクアマリンは、昔から海のお守りとして身に着けられていました。
航海中に船が嵐に見舞われると、アクアマリンが海の神ポセイドンの怒りを鎮めてくれるのだそうです。またこのような伝承は世界各地に存在します。
そしてアクアマリンの心が洗われるような清らかな色は、浄化作用を持つともいわれます。瞑想のお供に、また邪気や邪念を払うためにパワーストーンとして用いられることもあります。
アクアマリンは緑柱石(ベリル)です。ベリルは色によって名前が変わる鉱石で、緑ならエメラルド、ピンクはモルガナイト、赤はレッドベリルなど…アクアマリンも含めすべてベリル。
そしてアクアマリンの美しい水色を生み出すのが、わずかに含まれる鉄分です。そのインクルージョンが多くなると、アクアマリンの透明感のある涼やかな水色から青みが濃いものが生まれます。
アクアマリンはブラジル産が有名ですが、ブラジルのサンタ・マリア・デ・イタビラ鉱山で採掘された美しい青の濃いアクアマリンを「サンタマリア」と名前をつけるなど、採掘したところを名前につける特徴があります。
最近ではブラジル産の他にもナイジェリアやモザンビークなど、アフリカ諸国でも採掘されるようになりました。クオリティも採掘量もブラジルに負けないアクアマリンが採れるため、近年注目を集めています。
アクアマリンの取り扱い方法・保管方法&注意点
アクアマリンは硬度の高いジュエリーですから、傷がつくことを心配する必要はあまりありません。ただし、ほかの柔らかいジュエリーを傷つける心配があるため、アクアマリンと他のジュエリーを一緒に保管するのはやめておきましょう。
またアクアマリンは鉄を含有しているため、汗(塩分)に弱い性質があります。長く身に着けていると、当然アクアマリンに汗がつきますから美しい青い色が変色してしまいます。
アクアマリンはパワーストーンとしても人気が高いのですが、こまめに汗を拭き取るなど日常的にケアしていないと美しい色が失われてしまうので注意です。
加えてパワーストーンには塩で浄化する方法が一般的ですが、アクアマリンは塩分に弱いためこの浄化方法はおすすめできません。
直射日光は退色の恐れあり
アクアマリンの注意点としては、直射日光に弱いことを覚えておきましょう。日光を当てていると紫外線がアクアマリンが含有する鉄(Fe2+)と化学反応を起こし、アクアマリンの美しい色が退化してしまいます。
もともとアクアマリンは他のベリルと同じ石なのですが、この鉄分(Fe2+)のおかげで透き通るような青を作り出しています。しかし紫外線を当てるとせっかくの美しい青みが抜け、白っぽく退色してしまいます。ただし退色していても、放射線を当てると化学変化により色は元に戻ります。
また市場に出回っている多くのアクアマリンには、加熱加工が施されています。加熱加工によってアクアマリンから余計な色みを取り除き、本当に美しい透き通る青を実現するのですね。
もちろん非加熱のアクアマリンも存在しますが、多くは黄みやグリーンがかったベリルを加熱処理して、青い色素だけを残しているものです。ただ深い青など青い色味の濃淡は熱処理では変えられませんから、濃い色のものは価値が高くなります。
アクアマリンのお手入れ方法
アクアマリンの日常のお手入れ方法は、身に着けたら柔らかい布で拭く。これが一番です。汗や皮脂によって劣化するため、身に着けた後は必ず拭きましょう。日常のケアはこれだけで十分です。
しかしずっと身に着けていると、柔らかい布で拭くだけでは透明感が濁ってしまうことがあります。透明感が魅力のアクアマリンですから、濁ってしまうと魅力は半減ですよね。
そこで日常のお手入れでは足りなくなったときの、アクアマリンのお手入れ方法を紹介していきます。ぜひご参考になさってください。
石鹸水とぬるま湯で洗浄
アクアマリンが汚れてきたら、まずは石鹸で汚れを落としてみましょう。石鹸を使うやり方が、アクアマリンの一番お手軽なお手入れ方法です。
まずはぬるま湯を使って石鹸水を作り、その中でアクアマリンを優しく洗浄します。このとき石鹸水でも良いですし、中性洗剤を2~3滴ぬるま湯にたらしても良いですね。
できた石鹸水の中にアクアマリンを付け、優しく指でこするか柔らかい歯ブラシで丁寧に汚れを取り除きましょう。この時、石と留め金の間などもきれいに洗浄してください。ただし強くこすると留め金が緩んでしまうこともあるので、強くこすることは厳禁です。
きれいになったら柔らかい布で、丁寧に水分を拭き取りましょう。ジュエリーに水分は敵です。しっかりと拭き取ってから保管してください。
通常超音波洗浄も可能
ジュエリーの種類によっては、超音波クリーナーはおすすめできません。その理由は超音波によってかえって石が傷ついてしまう可能性があるからです。
しかしアクアマリンは硬い宝石。その硬度はモース硬度7.5〜8ほどあり、ダイヤモンドには負けますがクオーツ類と比べるとはるかに硬いことが分かります。
そのためアクアマリンは超音波クリーナーでも、傷をつけずに安全にクリーニングできるのですね。
スチームクリーナーも使用可能
アクアマリンのお手入れにはスチームクリーナーも使えます。アクアマリンは加熱加工がされているものが多いと、前項でも説明しました。アクアマリンは美しい色を出すために加熱加工をされるくらいなので、熱にも強いのです。
スチームクリーナーは皮脂や汚れを浮かせて落とすため、見違えるほど美しいアクアマリンに戻るでしょう。ただし長く丁寧にスチームクリーナーを使うのではなく、汚れ分が浮いたらすぐに止め手拭き取りましょう。
また熱に強いとはいえ、急激な温度変化には気を付けたいので、寒いところで熱いスチームをあてないような配慮は必要です。
フラクチャー充填されているものは注意が必要
美しい透明感を出すために、フラクチャー充填という加工をしているアクアマリンもあります。フラクチャー充填とは、内部の傷をガラスや樹脂などで埋めて隠す加工のことです。
元々傷があるものを埋めているため、フラクチャー充填をしていないアクアマリンと比べるとどうしても硬度が落ちてしまいます。そのようなアクアマリンは気を付けなければ、ヒビや傷、最悪の場合割れの原因になるので注意してください。
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まとめ
今回はアクアマリンのお手入れ方法について紹介してきました。海の水のように清らかなその水色は、見ているだけで心が和みます。
これを機会にぜひ本物のアクアマリンを手に取ってみてはいかがでしょうか?ジュエリー初心者にも比較的お手入れが簡単なので、おすすめです。