天然オパールとは?
さまざまな色に輝くオパールの宝石。オパールというと角度を変えて見たときに色が変わる遊色効果(プレイオブカラー)のあるものがおなじみでしょう。オパールは酸化鉱物の一種で、透明なものから乳白色のもの、青や緑のものまで種類がいくつかあります。
天然オパールの主な産地としてよく知られるのがオーストラリアとメキシコです。オーストラリアで採れるオパールにはホワイトオパールやブラックオパール、ボルダーオパールがあり、メキシコ産のものにはファイヤーオパール、クリスタルオパール、カンテラオパールがあります。
この中でも偽物のオパールがよく出回っているのが、ブラックオパールです。地色が黒で、ぱっと見た限りではあの特徴的な遊色効果が巧みに再現されているものでも、貼り合わせで作られた偽物ということがあります。
天然オパールで価値が高く評価される基準としては、カットの美しさや遊色数の大きさ、特に暖色系の色がよく出ているものは高価で取引されます。地色が濃くて遊色が映えるものも評価が高いです。
傷がないことも重要で、さらに内包物が魅力を引き立てている天然オパールも希少性が高いです。内包物が濁っているものは評価が下がります。
偽物オパールの中には、非常に巧妙な技で天然オパールに似せているものがありますが、宝石としての価値はほとんどありません。以下では偽物オパールの種類とその見分け方を紹介します。
偽物オパールの種類
偽物オパールが作られやすいのはブラックオパールの偽物で、以下のような種類があります。軽く見た感じや手に取った感じでは本物と見分けがなかなかつかないものも。
しかし偽物オパールならではの特徴も種類ごとに挙げられるので、そこを見抜くことができれば簡単に見分けられるものもあります。見分け方は次の項目で紹介しますので、あわせて確認してみてください。
合成オパール
合成オパールは天然オパールと同じ素材で、オパールが形成される条件を揃えて人工的に作ったオパールのことです。クリエイテッドオパールや京都オパールとも呼ばれ、合成オパールを作る技術を持っているのは日本の京セラのみです。
シリカの粒子を合成し、コロイド溶液にして沈殿させることで人工的にオパールを作り出します。最初の工程で手を加えることで遊色のバリエーションを変化させることができますが、その後のオパールを形成させる段階は天然のものと同じ過程をたどります。
人工オパールは傷つきやすいといわれてきましたが、現在は技術の発展により、傷つきにくくさらにサイズも大きいものが開発されています。
タブレットオパール
タブレットオパールは「ダブル」の意味のとおり、二枚の鉱物を貼り合わせて作った偽物オパールです。天然のクリスタルオパールの下に鉄鉱石などを貼り合わせて、ブラックオパールに見せかけているもの。
表がライトオパールやクリスタルで裏が母石やコモンオパールの場合もあります。明るい宝石の裏に暗い色の石を貼り合わせることで、ブラックオパールに似せることができます。
これらには宝石としての価値はほとんどありません。宝石を使っているものならまだ本物らしく見えますが、プラスチックを使ったタブレットオパールも。こちらは明らかに軽く、持った重さで偽物とわかります。
トリプレットオパール
鉱物を三枚重ねにしたトリプレットオパールもあります。こちらはオパールの切片を鉄鉱石やプラスチックでサンドイッチ状に挟んだものです。
かつては一番下をオニキスなど黒い鉱物にして、真ん中に薄いオパール、上にクリスタルを貼ってブラックオパールを模していたタイプのものが多かったトリプレットオパールですが、最近はプラスチックでサンドした安いものが多く出回っています。
鉱物を貼り合わせているため、年月の経過とともにオパールに曇りが見られるのが欠点です。プラスチックのものは傷がつきやすく、長年愛用するには向きません。
オーパライト
オーパライトはガラスなどの素材をホワイトオパールやクリスタルオパールに似せて作ったもの。パワーストーンとして安価で売られていることも多いですが、明らかに宝石とは呼べないものです。
ギルソンオパール
天然のブラックオパールと非常に似ているのがギルソンオパール。プロの鑑定士か、オパールをよく見慣れた人でないと見極めるのが難しいとされています。
ギルソンオパールはフランスのピエール・ギルソンが作り出した人工のブラックオパールです。天然のオパールと同じ石英を調合し、オパールが形成されるのと同じ環境に置いて作られたもの。天然のもののような蛍光性を現さないのが一つの特徴です。
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偽物と本物の見分け方
偽物オパールと本物のオパールはどのように見分けたらよいのでしょうか。プロの鑑定士でないと難しいものもありますが、素人でも簡単に見分けられるポイントもいくつかあります。
あまりに安くて怪しいと思ったら、購入段階で見分けたいもの。上で述べたギルソンオパールは見分けが難しいですが、オパールの表をルーペで観察すると斑の境目がモザイク状になっているという特徴があります。
その他の偽物オパールは、裏側や横を見てみることで簡単に見分けられるケースがあります。
裏をチェック
オパールの裏が金属で完全に覆われていたら偽物オパールの可能性が高いです。タブレットオパールやトリプレットオパールの場合、裏側の石がオパールではないため、見られないように金属で覆い隠していることがほとんどです。
逆に天然のオパールを使用しているジュエリーなら、金属で裏側を覆うということはほとんどありません。
横からチェック
横からチェックして見分けられるものも多いです。見分ける難易度が高いといわれている合成オパールは、横から見ると柱のような構造に見えるのが特徴的。柱状構造といわれ、合成オパールには必ずこの特徴が見られます。
タブレットオパールやトリプレットオパールは横から見ると貼り合わせの素材が層になっているので一目瞭然ですね。巧妙に作られた偽物の場合、層の境目がぼかしてありますが、ルーペでよく観察すると接着剤を確認できます。
偽物オパールを購入しないために
偽物オパールを購入してしまわないためには、信頼できるお店で買うことが第一です。鑑定の上本物と認められたオパールを購入するのが確実。
異常に安いオパールは、パワーストーンと謳われていても偽物の可能性が高いです。宝石としてのパワーも期待できないため、避けたほうがいいでしょう。
まとめ
オパールは人気の高い宝石のため、偽物も多く出回っており、ブラックオパールに似た偽物オパールの種類も数種類あるほどです。しかし見分け方を押さえて信頼できるお店で購入すれば、本物のオパールを手にすることができます。
偽物オパールは安く手に入りますが、宝石としての価値はなく、数年で劣化してしまうものも多いです。本物のオパールを手に入れて、長く愛用してください。