指輪は宝石を再利用するだけではなく、金属部分を溶かしてリフォームできる場合があります。ただし向いていない金属があったり費用がかかったりといったデメリットも。
思い入れはあるけれど使いにくくて奥にしまったままの指輪。金属を溶かしてリメイクして、身に着けて愛用できるアイテムに生まれ変わったら素敵ですよね。
指輪を溶かしてリフォームする際の注意点から、加工しやすい素材、リフォームするアイテム例など徹底解説します。
指輪を溶かしてリフォームは可能?
形見の指輪や、両親から受け継いだ婚約指輪など、思い出深いけれどそのまま身に着けるのはデザインやサイズ的に難しい、ということもありますよね。
指輪のジュエリーリフォームで、宝石のみ新しい指輪に転用するという方法はありますが、金やプラチナなど金属部分を溶かしてリフォームすることはできるのでしょうか?
金やプラチナの、宝石のついていないシンプルな指輪でも、大切な思い出があってそれをリフォームして受け継ぎたい、と思われる方は多いでしょう。実際に指輪を溶かしてリフォームし、愛用されている例もありますが、全てのケースで可能なわけではありません。
指輪を溶かしてリフォームするメリットとデメリット、溶かしてリフォームするのに向いている指輪の素材や、リフォームするアクセサリーの例を見ていきましょう。
大切な思い出の詰まった指輪を、さらに愛される形で受け継いでいきたいものですね。
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指輪を溶かしてリフォームする際のメリット・デメリット
まずは指輪を溶かしてリフォームでする際のメリットと、デメリットを見てみましょう。場合によっては溶かしてのリフォームが最善とはいえないこともあるので、溶かしてから後悔しないように、他の方法を検討してみましょう。
メリット
メリットは何より、愛用してきた金属がそのまま使えることです。大切な方から受け継いだものであれば、同じ金属を受け継げるというのは最大のメリットといえるでしょう。
特に指輪は溶かしてリフォームが比較的しやすいアイテムです。ネックレスやブレスレットといったチェーン類は溶かした際にロー材も混じるため、溶かしてのリフォームには向きません。
また、後述しますが、指輪を溶かして、指輪以外のものにリフォームすることもできます。新しいメモリアルなアイテムに作り変えることも可能なのはメリットの一つです。
デメリット
デメリットは、溶かした指輪の強度が十分とはいえない点です。プラチナ等の金属の純度の関係で、同じ指輪の金属のみでリフォームした際、着用に耐えられないほどのものになってしまう可能性が高いです。
また、指輪にリフォームしたとしても細くてシンプルなデザインにしかならない場合も多いです。使えない部分は削ってしまうので、元の指輪の金属100%でリフォームできるわけではない点も押さえておいてください。
その際に新しく金属を混ぜてリフォームするケースもありますが、材料費に工賃を加えると、新品の指輪を購入するよりも費用が高くついてしまうケースも多いです。
新しく指輪を買うほうがいいか、思い出の指輪を溶かしてリフォームするほうがいいか、今一度検討する必要はあるでしょう。
指輪を溶かしてリフォームができない場合でも、金属部分を下取りに出してジュエリーリフォームするという方法もあります。こちらなら予算も安く抑えられる可能性が高いです。
どのような形でリフォームするのがベストか、家族と話し合ったり見積もり相談をしたりする中で探ってみてください。
溶かしてリフォームするのに向いている素材は?
金属によって、溶かしてリフォームするのに向いている素材と、全くおすすめできない素材があります。お手持ちの指輪は溶かしてリフォームするのがいいのか、他の方法を考えたほうがいいのか、以下で確認してみましょう。
ゴールド
ゴールドは比較的変化しにくい特徴を持ち、アクセサリーとしてはもちろん、資産としても価値が高いのはご存じの通りですね。
K24、K18、K14、K10といった素材がよく使用されています。また、ゴールドの中でもホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールドなどがあります。ホワイトゴールドやイエローゴールドは溶かしてのリフォームやリメイクに向いています。
プラチナ
プラチナは白色の金属で、長く使用していても錆びたり変色したりしにくいというメリットがあります。婚約指輪や結婚指輪でもよく使われている素材ですね。
プラチナの種類にはPt1000、Pt900、Pt850がありますが、溶かして素材として再利用するにはPt1000、Pt900なら向いているといえます。
Pt850のプラチナはネックレスのチェーン等に使用されていることが多いのですが、こちらは溶かしてリフォーム・リメイクには向いていません。
シルバー
シルバーは長年身に着けていると白色が黒く変色してしまうという欠点があります。残念ながら溶かしてリフォームすることはほぼ不可能です。
これらの他に合金でできたアクセサリー類も、溶かしてリフォームするのには向いていません。脆いものにしかならず、業者のほうで敬遠されがちです。逆に金属の下取りがうまく利用できるケースもあるので、そちらを検討してみるのも一つの手でしょう。
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溶かした指輪は何に出来る?
溶かした指輪は、指輪から指輪だけでなく他のアクセサリーにもリフォームすることができます。ペンダントヘッドやブレスレットにするのもおすすめです。
上で見てきたように金属の質の問題で、指輪に作り変えるのが困難なケースや、新品を買うよりも高くなってしまうケースもあり、他のアイテムにしたほうが有効活用できる場合もあります。
一例としては溶かした指輪の金属を平らにし、プレートにするという方法があります。プレートに模様や文字を彫って、ブローチやペンダントにすることが可能になります。
形は変わってしまいますが、大切にしてきた指輪の金属はそのままに、新たなメモリアルアイテムとして愛用できることでしょう。
比較的金属部分の少ない、ピアスやイヤリングにするという方法もあります。指輪の宝石も2分割してペアにしてくれる業者もあるようです。
ただし宝石の2分割は、元の状態よりずっと小さくなってしまったり価値が著しく下がってしまったりといったケースも見受けられるので注意が必要です。
指輪を溶かして指輪に変えられない場合でも、他のアイテムにする手段はこのようにいくつかあります。見積もりの段階でじっくり相談して、長く愛せる形にリフォームしたいですね。
まとめ
指輪を溶かしてリフォームする際のポイントや注意点を見てきました。お手持ちの指輪をどう生かすか、参考にしていただけましたなら幸いです。
指輪の金属を溶かしてのリフォームは、デメリットとなってしまう点も多いので、本当にベストな選択なのかじっくり考えてみてください。
費用は二の次で同じ金属で好きなアイテムを作りたいという方にとっては、世界に一つしかない、オリジナルで思い入れも深いアイテムを手に入れられるチャンスだともいえます。