私たちが知らないダイヤモンド

ショーケースに並ぶまばゆいダイヤモンド

みなさんはダイヤモンドが何から⽣まれ、

どのように採取されているかご存知ですか︖

通常では知られていない、

ダイヤモンドがなぜ私たちの⽬の前に現れたのかをお伝えします。

ダイヤモンドは何でできている︖

ダイヤモンドは『炭素』でできています。

ダイヤモンドの元素は『炭素』のみです。

他にも炭素のみでできているのが

「グラファイト」です。

グラファイトとは、鉛筆の芯(⿊鉛)のことです。

ダイヤモンドと鉛筆の芯…

同じものでできているとは想像もできませんよね!

無⾊透明で輝きを放つ、

地球上でもっとも硬いダイヤモンドと

真っ⿊で不透明な軟らかいグラファイトが同じもの︖︖︖ 

そんなはずがないと思うのが当然だと思います。

では、ダイヤモンドとグラファイト

同じ炭素原⼦のみでできているのに

何故ここまで違うのか、、

それは原⼦の結びつき⽅(原⼦間の結合)と

並び⽅(結晶構造)の違いに秘密があります。

ダイヤモンドとグラファイト

ダイヤモンドは1つの原⼦が必ず周りの4つの原⼦と

“共有結合”で強く結びついています。(三次元的)

⼀⽅、グラファイトは原⼦が層状に並び

横の結びつきはダイヤモンドより強い

“共有結合”ですが、縦の結びつきが弱いです。

⼒を加えるとシート状に離れてしまいます。

鉛筆で紙に芯を押し付けると⽂字が書けるのはこの性質のためです。

ダイヤモンドがつくられる環境

ダイヤモンドの原⼦がなぜ強く結びついているのか、

つくられる環境に答えがあります。

ダイヤモンドの原⼦の結びつき⽅をみて分かるように

ダイヤモンドの⽅がグラファイトよりも

ぎゅっと濃密な結晶構造をもっています。

これは、ダイヤモンドは地下100㎞という深いところ、

つまり⾼温で⾼圧な環境でできているという証です。

地下100kmから

地下100kmというと、地殻の更に下の上部マントルになります。

そこからダイヤモンドがどのように地表に現れたのか。

マグマです。

⽕⼭の爆発に伴うマグマの噴出とともに

⼀気に急上昇し、形成されたのが

ダイヤモンドの原⽯『キンバーライト』と

『ランプロアイト』です。

キンバーライトは最初に発⾒されたダイヤモンドの原⽯で、

南アフリカのキンバレーで発⾒されたことからその名が付けられました。

マントルで結晶化したダイヤモンドはすべて、

キンバーライトやランプロアイトに乗り地表に現れるわけではなく

ゆっくりと上昇してきたものはすべて、

グラファイトになってしまいます。

ダイヤモンドは、⾳速を超えるマグマの急上昇がないと

地上に現れないのです。

地表に現れたダイヤモンド

地表に噴出したキンバーライトやランプロアイトは

その後、⻑きに渡って⾵化・浸⾷を繰り返し

鉱物は次第に分解されていきます。

しかし、⾵化に強いダイヤモンドは他の鉱物と⼀緒に

壊れないまま河川へ運ばれ、川底に堆積します。

こうして、川や海など遠いところへ運ばれ

⼈間のもとへ届けられました。

ダイヤモンドを⼀番最初に⾒つけたのはインドで、

紀元前4世紀、河川で拾ったといわれています。

原⽯のままのダイヤモンドはあまり光りませんが

その神秘的な存在感に当時から⼈間たちを

虜にしていたに違いありません。

ダイヤモンドの採掘⽅法

バンニング

ダイヤモンドの最も原⼦的な採掘⽅法がバンニングです。

バンニングは濁った川から⼟砂を⼤⽫の中に⼊れ、

川の⽔ですすぎながら原⽯を探す。

という⽅法です。しかし、バンニングは

⼀度に⼤量のダイヤモンドを採掘できない。

地表近くのダイヤモンドしか採掘できない。

などのデメリットがあり、新しい採掘⽅法が確⽴されてからは

あまり⾏われていませんが、

個⼈鉱⼭などではいまでも⾏なわれているところがあります。

パイプ鉱床

パイプ鉱床は、バンニングの次に誕⽣したダイヤモンドの採掘⽅法です。

地⾯に地下数百メートルほどの⽳を掘り、

掘削・粉砕・回収の過程を経てダイヤモンドを採掘します。

掘り⽅は、露天掘りと地下採鉱の2種類。

パイプ鉱床での掘削作業が終わった後は

爆薬を使って掘り起こしたキンバーライト

(ダイヤモンドの原⽯を含む岩⽯)を粉砕します。

そこからダイヤモンド原⽯を回収していきます、

パイプ鉱⼭でのダイヤモンド原⽯の回収量は

キンバーライトの2000万分の1。

そのうち婚約指輪などの宝⽯に適した

⾼品質なダイヤモンドはわずか

10%〜20%しか⾒つからないといわれています。

漂砂鉱床

近代的なダイヤモンドの採掘法としてあげられるのが、

漂砂鉱床です。

婚約指輪に使われるダイヤモンドもこの⽅法で

採掘されることが多くなっています。

⾵化や侵⾷によりキンバーライトが河川に流れ出し、

砂礫の中に堆積して河床や川岸に鉱床を作ります。

海に流れ出したものは、海岸に打ち寄せられ堆積し

再びダイヤモンド鉱床をつくり出します。

こうした漂砂鉱床での採掘には、

パイプ鉱床のような⼤規模な採掘機械類が必要なく、

⼀度に広範囲で採掘でき、低リスクで効率の良い⽅法になります。

そのダイヤモンドの原⽯の回収率は

砂礫中から約 1 億分の 1 の割合でしか⾒つからず、

そのうちの宝⽯⽤品質は30%〜40%。

ダイヤモンドの回収

地上に運ばれた鉱⽯は、繰り返し粉砕、⽔洗いをされて

3cmほどの⼤きさの粒にされます。

ここで不要鉱物の約80%が取り除かれます。

繰り返しこの⼯程が⾏なわれ、

回収⼯程でダイヤモンドと他の鉱物との分離が⾏われます。 

ここまでがダイヤモンド採掘の流れです。

まとめ

あまり知られていないダイヤモンドの起源と、

採掘⽅法についてご紹介いたしました。

普段⽬にする、ダイヤモンドからは想像できない

素材の正体と原⽯の採掘⽅法だったとおもいます。

この原⽯がさらに磨かれ研磨され、私たちのもとへ届く。

途⽅もない旅のように感じます。。。

ダイヤモンドの岩⽯ができた年代も

古いものでは16億年前、

新しいものでは5000万年前といわれており

その数字だけでもさらに途⽅がないものに感じさせます。

地球の贈り物といわれているダイヤモンドですが、

私たちが⽣まれるずっとずっと前のものに

⾝近に触れられるのも宝⽯の良さだとおもいます。

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